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ユースアクション新聞2023.02.26

小学校から義務教育に「環境」授業!? フィンランドの実態!

現在のSDGs達成度ランキング1位の国はフィンランドです。約半年間フィンランドに留学していた経験をもとに日常生活の中で見えてきた「フィンランドがSDGs達成国1位である理由」について紹介します。

フィンランドの環境への取り組みがスゴイ理由...それは、“行政や企業だけでなく、国民一人一人の生活において
環境配慮行動が当たり前"となっているからです。そして、その背景には「子どもの頃から環境教育がなされていること」が大きく影響していると感じました。
2021年12月13日と16日にフィンランド、ヘルシンキにあるLINTUVAARAN小学校に「環境」授業の視察に行きました。そして、低学年と高学年それぞれの「環境」授業の見学や学校とし
ての環境への取り組みを教えていただきました。以下からの記事は視察内容をもとに作成しました。授業自体は、主に教科書とワークブックを使用しながら授業をしていました。例えば、ゴミの分別方法や各種リサイクルマークの意味などです。また、フィンランドの空き缶・空きペットボトルのリサイクルシステム*1の紹介や、マーク別の換金される金額なども記されていました。環境と聞くと小学生にとって難しく感じますが、テキストやワークブックは一貫してイラストやカラーが豊富に使われており、かつ点つなぎやクロスワードなど楽しく学べる工夫がされていました。また、非常に驚いたことは小学1年生の児童達と環境問題についてディスカッションをした際、児童達が環境について、しっかりと自身の意見を持ち、発言できていたことです。児童達からは「お絵描きする時の紙は真ん中からではなく端から使って裏表使う」「要らなくなった物はチャリティーに寄付をする」「海の魚を守ることは自分達の責任だ」「もしも、プラスチックを海に捨ててしまったら魚は死んでしまう、だから環境を守ることは大切だ」などという発言が見られました。これらの知識や考えは、授業中だけでなく、日頃から担任の先生や親が口にしていたり、本やドキュメンタリー番組で学んだと口にしていました。
授業は10名から20名の少人数制で座学だけでなく、ディスカッション、プレゼンテーションも多く取り入れられています。さらに、児童達自身の肌で学ぶような実践的な授業も多く感じました。例えば、色々な素材のごみを土に埋めて、春に取り出し、児童自身の目で生ごみは土に還るがプラスチックはそのままだということを学ぶ他、リサイクルシステムの工場見学に行ったり、絵画コンテストと結びつけて環境について学んでいるそうです。

2021年12月13日と16日にフィンランド、ヘルシンキにあるLINTUVAARAN小学校に「環境」授業の視察に行きました。そして、低学年と高学年それぞれの「環境」授業の見学や学校とし
ての環境への取り組みを教えていただきました。以下からの記事は視察内容をもとに作成しました。授業自体は、主に教科書とワークブックを使用しながら授業をしていました。例えば、ゴミの分別方法や各種リサイクルマークの意味などです。また、フィンランドの空き缶・空きペットボトルのリサイクルシステム*1の紹介や、マーク別の換金される金額なども記されていました。環境と聞くと小学生にとって難しく感じますが、テキストやワークブックは一貫してイラストやカラーが豊富に使われており、かつ点つなぎやクロスワードなど楽しく学べる工夫がされていました。また、非常に驚いたことは小学1年生の児童達と環境問題についてディスカッションをした際、児童達が環境について、しっかりと自身の意見を持ち、発言できていたことです。児童達からは「お絵描きする時の紙は真ん中からではなく端から使って裏表使う」「要らなくなった物はチャリティーに寄付をする」「海の魚を守ることは自分達の責任だ」「もしも、プラスチックを海に捨ててしまったら魚は死んでしまう、だから環境を守ることは大切だ」などという発言が見られました。これらの知識や考えは、授業中だけでなく、日頃から担任の先生や親が口にしていたり、本やドキュメンタリー番組で学んだと口にしていました。
授業は10名から20名の少人数制で座学だけでなく、ディスカッション、プレゼンテーションも多く取り入れられています。さらに、児童達自身の肌で学ぶような実践的な授業も多く感じました。例えば、色々な素材のごみを土に埋めて、春に取り出し、児童自身の目で生ごみは土に還るがプラスチックはそのままだということを学ぶ他、リサイクルシステムの工場見学に行ったり、絵画コンテストと結びつけて環境について学んでいるそうです。

学校としての環境への取り組みとしては主に以下 3 点教えてい ただきました。まず、クラフトの授業や裁縫の授業は、全て新し い物から作るのではなく、新聞紙や段ボール、包装材、布の端切 れなど教師や児童が家から持ってきた物を使用しています。実際 に専用の保管部屋もあり、多種多様な材料が揃っていました。 次に、食堂です。教育先進国であるフィンランドは学費、教材 費だけでなく、給食費が完全無料で有名ですが、食堂にも環境配 慮がなされていました。例えば、児童達は自分で好きなだけ取る ことができ、食べ残しを防ぐことでフードロス対策や、生ごみを 捨てるゴミ袋もプラスチック製ではなく、バイオマスを使用して いるため、袋ごと土に還る仕組みになっています。 最後に、服の譲渡コーナーです。サイズアウトした服や要らな くなった服を学校にある専用のコーナーに置き、他の児童が必要 に応じて貰えるという仕組みです。フィンランドにはセカンドハ ンドショップが日本に比べて普及しており、セカンドハンドショッ プで服を購入することは日常茶飯事ですが、小学校内にもこのよ うな場所があることが新鮮に感じました。

視察の感想
約半年間フィンランドで暮らした中で、フィンランドがSDGs達成度ランキング1位の背景には、行政や企業だけではなく、「国民一人一人の日常生活の中において環境配慮行動が当たり前になっていること」が大きく関係していると感じました。日本も近年SDGsに対する取り組みが増加していますが、未だ行政や企業主体が多く、個人が主体的に行動することは少ないように思います。フィンランドでの個人によるリサイクル率が高い理由は、デポジットリサイクルシステムやセカンドハンドショップの普及率だけでなく、子どもの頃から環境について触れる機会が多いからだと考えます。「環境」授業もただ机上の学びだけではなく、自身の考えをアウトプットする機会も多くあり、子ども達も楽しく授業に参加している印象を受けました。今回の視察を通して、日本でも今後環境問題やSDGsに小さな頃から触れることができる仕組みが有れば良いな、作りたいと考えるきっかけとなりました。
*1フィンランドにある、デポジットリサイクルシステムです。缶ジュースなどを購入するとあらかじめ缶代の15セントが含まれています。そして、飲み物を飲んだ後の空き缶をスーパーマーケット横などにある指定のリサイクルマシーンに投入すると15セント変換される仕組みです。容器によって変換される金額は異なり、一番大きなペットボトルだと40セントにもなります。フィンランド人の友人いわく、子供の頃、街で空き缶拾いをしてお小遣い稼ぎをしたそうです。このシステムによって、フィンランドの街ではあまりペットボトルのポイ捨てなどを見かけません。