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ユースアクション新聞2023.07.27

中学校ではどんな教育がされている?

SDGsは、生きることを見直すきっかけになる

先生のお話の中で、「SDGsを教育に取り入れることで、生きることについて見直すきっかけになる」という言葉がありました。みんなが平等に生きる世界や、誰一人取り残さない世界を作るためのSDGsの17の目標。それを学ぶことは、教育目的そのものに合った行為であり、生きることの質を上げることにつながっていきます。同志社中学校では実際にどのような取り組みをされているのでしょうか。
SDGsについて知るために授業での学習以外に実施されている興味深
い取り組みについてご紹介していきます。まず、学園祭です。「SDGsをよく知ろう」をテーマに、各クラスが調べ学習・展示を行いました。例えば、あるクラスはSDGsの目標の1番について調べ、別のクラスは他の目標を調べて、クラスごとにテーマを掘り下げた展示を行いました。展示を通して、どのようにSDGsを伝えていくのか、生徒自身が考えて取り組んでいたことが伝わってきました。
すぐき漬けプロジェクト

その中でも本紙では、第4回関西SDGsユースアクション2022にて受賞された「鴨川すぐき畑」について、詳しく紹介します。「すぐき漬け」とは京都の伝統的な漬物のひとつです。近年、生産量が落ちてきたことから、農家さんと生徒がチームを組んで、生産量を回復させていくというプロジェクトを立ち上げました。生徒と農家の方が2週間に一度ミーティングを行い、意見を出し合います。それを元に、生徒が主体となって、すぐき漬けのホームページを作ったり、YouTubeチャンネルを作ったり、LINEスタンプを制作しました。YouTubeチャンネル『すぐキッチン』では、すぐき漬けの紹介だけではなく、生のすぐきを使った料理を行ったり、試食、食レポを行っています。生徒の皆さんは、食レポに興味があったとのことで、動画内で楽しそうに料理や食レポをしていました。また、プロジェクトの一環として、京都の老舗のパン屋さんに営業をしたそうです。「すぐき漬けを使ったパンを作ってほしい」と提案し、京都の老舗のパン屋さん・京都で伝統のある同志社中学校・京都の伝統的なすぐき漬け。この3つがコラボすることで、メディアにも取り上げてもらえるかもしれない。そうすると、パン屋さんの名前も、すぐき漬けの名前も人々に知ってもらうことができるという案で、交渉をしました。その結果、実際にパン屋さんが試作品を作ってくれることになり、お話が進められているそうです。
テクノロジーの活用

学園祭や学びプロジェクトという、実際に活動を行って、SDGsを知っていくことができる取り組みについてご紹介しました。次に、授業内での取り組みとして、同志社中学校が使われているテクノロジーについてもお聞きしました。対面授業だけでなく、オンラインやオンデマンド授業を取り入れた授業をされていて、zoomやGoogleMeet、Teamsを用いています。これにより、生徒はTeamsに学びプロジェクトの進捗状況を書き込み、情報を共有することに活用しているそうです。
枠にはまらない教育

取材の中で先生からは、生徒に学習の場を提供していく上で、学校という枠にはめた教育はなるべく避けたいとお話しいただきました。学校での学びに集中していると、学んでいることや、中学生として過ごしている時間が、すごく幅の狭いものになってしまう可能性があるからです。同志社中学校では企業と一緒に何かをしたり、学外で取り組みをしたりと、外部とのつながりを大切にしていきたいと考えています。最後に、読者へのメッセージです。「本紙を読んでくださった方で興味を持っていただいた方がいらっしゃれば、ぜひ一緒に何かしましょう。」同志社中学校の皆さんと多くの方が一緒に目標に向かって取り組み、新しい何かが生み出されることを願っています。