高校生 10名
大学生 22名
大学院生 2名
合計 34名
参加学校
●高等学校
博多女子高等学校、向上高等学校、鹿島朝日高等学校、東洋英和女学院高等部、東京都市大学附属高等学校、三田国際学園高校、瀬戸内高等学校、N高等学校、山脇学園高等学校、都文館グローバル高校
●大学
立命館大学、関西大学、追手門学院大学、梅花女子大学、神戸芸術工科大学、甲南大学、東京未来大学、桜美林大学、明治学院大学、京都女子大学、千葉工業大学、多摩美術大学、大阪工業大学、拓殖大学、兵庫大学
●大学院
芝浦工業大学大学院
2024年度テーマ
日本のニュータウンの再生
日本のニュータウンは、1960年代の高度経済成長を背景とした都市部への人口集中を受け、住宅確保と公共施設整備による居住水準の向上を目的として都市郊外で多く開発されてきました。 しかしながら、現在では住民の高齢化と子供世代の流出による人口の減少、住宅・施設の老朽化・陳腐化も顕在化し、商業施設の遊休化や廃校等による地域の活力低下などの課題も生じています。これらの課題を解決し魅力的なまちに再生するためには、どういった施策が必要なのか。一緒に考えてみませんか。
https://www.sekisuihouse.co.jp/
参加学生:3組11名
・どのような課題を解決するアイデアか
企業のテーマである“日本のニュータウンの再生”をもとに、ニュータウンにおける高齢化や働き手不足に焦点を当てた。地域の文化、土地を生かしたイベントの企画、ランドマークの創出を行うことでそのまちを知ってもらうきっかけを作ろうと考えた。
SDGsの観点からは、このアイデアを通して「4.質の高い教育をみんなに」「11.住み続けられるまちづくりを」の解決に貢献できると考える。
・アイデアの内容
高知県の横浜ニュータウンと周辺の瀬戸団地を舞台に、20〜40歳の子育て世代にターゲットを絞り、イベントを企画した。ランドマークとして「廃船を利用した商業施設」を提案する。そこでは地域の特産物を購入できるお店や新鮮な魚を食べられるレストラン、子どもを預けられる施設を設置する。また、漁業が有名という土地柄を生かし、カツオの一本釣り体験や伝統的な藁焼きの体験、子どもたちが描いた魚を3Dで映し出し、その魚を釣ることができるイベントを企画した。また、この地域だけのオリジナル通貨「せとPay」を考案し、お得に買い物ができ、子供たちが使うことのできるカード型の通貨も作成した。さらにメインの商業施設と隣接して、小さな廃船を用いた宿泊施設の設置や近くの絶景スポットを使った潮干狩りなどのイベントも実施する。これらの運営は商業施設での雇用や体験の提供など、地元住民からの協力を得る必要があるため、雇用の増加や世代間を超えた地域交流の活発化などの問題解決にも繋がる。
・課題提供企業より
今回のテーマに取り組みにおいて、どの地域に焦点を当てるか、その地域の特性を生かし課題を解決するにはどのようなアプローチをすればいいか、ということから考えることが必要な内容だったと思うのですが、ここをしっかりと考えられ、データもしっかり見つけてその内容を生かしたイベントを企画されていました。
アイデアソン開始当初はみなさんかなり緊張されており、議論がなかなか進まないこともありましたが、日が経つにつれてみなさん終始笑顔で、意見を活発にされるようになり、担当としてみなさんの議論を聞いていて楽しかったです。
・どのような課題を解決するアイデアか
日本のニュータウンにおいて、商業施設の不足による買い物難民、地域交流イベントの不足による地域コミュニティーの希薄化、開発時に住民が一斉に入居したことによる高齢化と孤立化といった3つの課題が挙げられる。令和5年時点で、全国の高齢化率は約30%であり、立ち話をする程度の関わりのある人数を平均すると、1人当たり6.2人ほどしかいないというデータが出ている。
・アイデアの内容
課題を解決するため、地域住民、若者、子ども連れをターゲットに絞った。立地がよく、然も豊かな岡山県吉日高原都市のニュータウンを舞台とした。そこでスローライフ、デジタルデトックス、人々の交流、生命の実感をテーマに、「きびのこもれび」という複合施設を提案する。施設は4つのエリアに分けられ、まず1つ目に地域資源の活用不足という課題を解決するため、吉備高原の特産品であるブルーベリー、ぶどう、高原野菜を中心とした農業体験のできるファームエリアを設置する。そこでは季節ごとに異なる体験が可能で、普段使うことのない五感を刺激し、濃厚な体験を提供する。2つ目のクリエイティブエリアでは、コミュニティーの希薄化を防ぐため、備前焼の陶芸体験や倉敷手織りのワークショップ体験が可能で、若者のデジタルデトックスにも繋がる。3つ目のショップエリアでは、商業施設の不足の解決をねらい、スーパーに限らず特産品を用いた料理体験や図書館、リラックスできる屋外エリアを設置する。4つ目は、地域に多くある空き家をリフォームしたホテルのようなシェアハウス施設を設置したステイエリアで、高齢者の単身世帯による孤立化などの問題解決ができる。また、「きびのこもれび」は他の地域でも活用することができ、この提案を通じて誰もがのびのびと暮らせる社会を提供したい。
・課題提供企業より
現在のニュータウンが抱える問題に対しての課題解決に加えて「きびのこもれび」という誰もが取り残されずのびのび過ごせるような特徴を生かした農業×ニュータウンの素晴らしい提案をいただきました。また、ほかの地域への転用が出来るという仕組みまで落とし込まれていたのが素晴らしかったと思います。このチームは発想力が豊かで一人ひとりが強い想いがあり、1つのアイデアにまとめることが難しかったと思いますが、最後までまとめ切ってくれたことにとても感心しました。
・どのような課題を解決するアイデアか
まず、企業テーマ“日本のニュータウンの再生”に基づいて、大阪の千里ニュータウンに着目した。この千里ニュータウンは若者を中心とした人口減少という大きな課題を抱えている。それを原因として空き家が増加しているため、まちにシンボルとなる施設をつくり、新しく定住する人が増えるきっかけにしようと考えた。若者をターゲットとし、多様性を実現する家でも職場でもない場所、「サードプレイス」を作ることを提案する。SDGsの観点からは、このアイデアを通して「11.住み続けられる街づくりを」「15.陸の豊かさも守ろう」の解決に貢献できると考える。
・アイデアの内容
課題を解決するため、まちに「竹尽くしの広場」を作る。千里ニュータウンは元々竹が生い茂っている丘陵地であったため、今でも公園内に竹林が残っている場所がある。この地域において、竹は現代に残る観光資源であると考え、これをうまく利用し、竹林の魅力可能性を生かしたアイデアを考えた。ここには竹でできた施設を作り、竹を使った料理や竹炭を使ったスイーツが食べられるお店を設置する。定期的に行うイベントとして、子どもたちも楽しむことのできる竹を使った工芸品づくりのワークショップを実施し、多様な世代の方の交流を図る。また、昼夜問わず使える竹製のハンモックやドームを設置し、誰もが利用できる場所とする。竹には、脱炭素の視点でもプラスチックの代用になるという利点があり、竹を有効に活用することで、竹の用途の多様性×人の多様性によって温かみのあるまちへ再生する。
・課題提供企業より
初日はとても緊張した様子でしたが、徐々に発言に対する相槌が増えていき、学生が主体となりしっかり進められていました。千里ニュータウンの知識が何もない状態から始まり、アイデアのプロセスや結果に正解がない中、まちの魅力を高め継続して盛り上げるためにはどうすれば良いか、新しいアイデアの出し方やグループワークの進め方、まとめ方、コミュニケーションの取り方などに模索しながら取り組んだ経験は今後に生きると思います。
2024年度テーマ
「絵本のまち板橋」で、みんなで支える子どもたちの育ちのデザイン
フレーベル館は、「子どもが育つことは、未来が育つこと」と考えています。
東京都板橋区は「絵本のまち板橋」を掲げ、「文化によるまちづくり」に取り組んでいます。
これからの未来を担う子どもたちのために、そこで育つ、すべての子どもたちの育ち、
すなわち未来の育ちを地域や企業など社会全体で共に支えていくことが大切です。
持続可能な子どもたちの育ちを、板橋区の地域特性と掛け合わせて、
みんなで支える取り組みやデザインを私たちと一緒に考えてみましょう。
https://www.froebel-kan.co.jp/
https://www.city.itabashi.tokyo.jp/kusei/seisakukeiei/promotion/1025922/index.html
参加学生:3組11名
・どのような課題を解決するアイデアか
板橋の住人は板橋=絵本のまちという認識が少なく、住みやすい街ランキング上位のまちは待機児童が少ないのに対して板橋区は待機児童が多いという課題があった。また、保育施設や児童館は充実しているが、テーマパークや体験型施設がないということもわかり、これらの課題を解決するアイデアを考えた。
・アイデアの内容
板橋区のシンボルとなる絵本の施設「にじいろえほんかん」を提案する。施設名の由来は、わくわくする「えほんかん」と何色にもなれる「にじいろ」をあわせたもの。コンセプトは自分の夢を実現・体験できる、夢を夢で終わらせない絵本の世界を体験しようというものである。ターゲットは、7歳以下の子供がいる家族、30~40代の子育て世代である。ここでは、子どもの創造力、感性、主体性をはぐくむことができるコンテンツがある。<1階>「お菓子の夢のパッケージ作り」では、絵本をかたどったお菓子のパッケージ作りができ、お菓子は板橋区の銘菓を使用する。「夢のトロッコ大冒険」では、主人公を描きその主人公が「いつ」「どこで」「だれが」「だれと」「どうした」を選択肢から選び物語を作ることができる。物語を作った後トロッコに乗り部屋を移動する。部屋の壁がスクリーンになっており、自分の作った物語が表示される。部屋を抜けると絵本の工場があり、絵本の製造過程をのぞくことができる。また、作った物語は絵本としてもらうことができる。<2階>フロアの中央に絵本のガチャガチャを設置し、フロア全体がスクリーンになっており、好きな場所に絵が描ける。また板橋区の友好都市であるイタリアのボローニャ市の子どもたちと時間限定で、絵を使った交流ができるようにする。子どもにとっては、自分で作った絵本の没入体験ができることで自分で考える楽しさ・夢が実現できる喜びを全身で体感できる。また、板橋区も「絵本のまち」としての認知度が上がるとともに、板橋区の特徴である絵本を活かした子育て支援施設、子どもの夢を応援し具現化できる。さらに、観光地として遠くからでも足を運んでもらい、「にじいろえほんかん」を通して絵本のまち板橋を知ってもらうことができる。
・課題提供企業より
チームワークがよく、自分たちが体験してわくわくできるようなアイデアを考えていたところがよかったです。また、意見を出し合うときは、他の人のアイデアを否定せずしっかりと聞き、よりよいアイデアを出している様子も良かったです。フレーベル館と板橋区の特徴や要素を組み合わせることが難しい課題でしたが、にじいろえんほん館の魅力を伝えながら、かつ子どもたちが喜び、絵本の街としての板橋区をアピールできるアイデアでした。特によかったこととして、全員が楽しそうにアイデアを出しており、そういったアイデアは子どもたちやお客様も楽しんでくれることだと思うので、その気持ちを忘れずにこれからも、子どもたちの未来について考えていってほしいです。
F-2:わくわく4兄弟
タイトル:カラフレ
・どのような課題を解決するアイデアか
板橋区では印刷業やその関連企業が多く、絵本が数多く出版されているが、絵本を子どもたちの育ちに上手く活用しきれていないと考えた。また、調査から絵本の読み聞かせが、保護者の負担となっていることや絵本そのものよりも、キャラクターに人気が集まってしまっていることも課題だとわかった。さらに「えほんのまち板橋」という知名度が低いことも課題であると考えた。
・アイデアの内容
コンセプトは、絵本の世界と板橋区民の日常の世界をかけあわせることであり、板橋区の風景と心に残る絵本のフレーズで子どもたちの想像力・理解力・地域のつながりを育むことを目的とする。1つ目のアイデアは、「えほんのフレーズ×看板」である。えほんの中のワンフレーズをその意味に合うような場所に設置する。看板の形は、天気を表す形にして、天気による感性や気持ちの表現力・理解力・想像力の向上を図る。具体案としては、えほん『ぱんぱんでんしゃ』の「ぱぱん、ぱぱーん、ぱぱん、ぱぱーん」というフレーズを板橋区1丁目電車の見える公園に設置する。ほかにもこのような具体案を7箇所考えた。2つ目のアイデアは「よむ×きく×はなすの看板」である。フレーズの看板だけでなく、未就学児の目線に合わせて丸・三角・四角のボタンが付いた看板を設置する。丸のボタンを押すと地域の人が吹き込んでこれた看板に掲示しているフレーズを聞くことができる。三角のボタンを押すと、自分でフレーズを読み録音することができる。四角の「みんなの声をきく」ボタンを押すと、録音されたみんなの声をランダムで聞くことができる。
・課題提供企業より
アイデアの看板が板橋区の特定の場所だけではなく、各地に設置を考えられている点がよかったですし、風景とフレーズがマッチしているため、大人子ども関係なしに新たな絵本の読み方ができるのではないかと思いました。アイデアが斬新で話題性があるところもよかったです。
はじめは課題やテーマを見つけることはとても苦戦し、悩み苦しんでいる様子も見られましたが、土日や隙間時間を活用し、プレゼンをしっかりまとめられていました。悩む時間が多かったからこそ新しいアイデアができたと思うので、自分をしっかりと誇ってください。
F-3:ハッピースセット
タイトル:絵本の森とひみつきち文学館
・どのような課題を解決するアイデアか
板橋区では、働き盛りの世代の定住率が低いことが調査で分かった。また長期の休み明けに学校に行きたくない児童・生徒や、自殺する子どもが多いこともわかりこれらの課題を解決するアイデアを考えた。
・アイデアの内容
秘密基地や学校でも家でもない場所で、一人で考えたり、落ち着いたりすることができる場所「絵本の森とひみつきち文学館」を考えた。ここでは子どもたちが過ごしたいと思う場所を自分で作ることができることを目指す。建物は三階建てで半地下のようになっており、階層ごとに絵本のテーマを分けて、自分の精神状態と相談しながら場所を変えられる。お気に入りの本や昔読んでいた絵本を持ち寄り本棚を共有できたり、テーマごとに絵本が並んでいるので、自身の気持ちに合わせて選ぶことができる。また、大きな積み木を使い、自分で秘密基地を作って過ごせる。近隣の公共施設に共有bookの箱を設置し本も集める。絵本の感想ポケットを添付しておくことで、地域の絵本を通した交流を図る。夜は保護者も使うことができ、保育士もいるため育児に関する悩みを相談することができる。運営方法としては、自治体であり、昼のスタッフはボランティア、保育免許のある方、保育士を目指している学生の方、地域の方に協力してもらい、夜は親が相談できるように保育士の方に来てもらう。
・課題提供企業より
感情をテーマにしたフロアというアイデアがよかったです。また施設内に秘密基地を自分たちで作っていくというアイデアも面白いと思いました。アイデアが活発に出ているチームでしたが、アイデアが拡散しすぎ、収束できず行き詰ったときには、違った視点から考えることができていました。各自が学んでいる分野からアイデアが出ていた点も素晴らしかったです。板橋区とフレーベル館どちらかを深掘りするのではなく、両方を取り込んだプランが完成しており、オリジナリティのあるアイデアに仕上げられており非常に素晴らしかったです。
2024年度テーマ
想いとアイデアで創る、明日のデザイン
~あなたの「知」が社会課題を解決する「財」となる~
特許庁は、誰かの助けになりたい、社会をより良くしたい、そんな想いと創造力をもとに、
知的財産を活かして未来を切りひらく人々を応援しています。
みなさんも、自分の想いとアイデア、そして知的財産を活かして、
自分の身の回りの社会課題(子どもの安全・安心、育児・教育環境などの課題)
を解決するにはどうしたらよいか、一緒に考えてみませんか。
https://www.jpo.go.jp/introduction/soshiki/design_keiei/i-open/index.html
参加学生:3組12名
T-1:ラバーシティ
タイトル:マネーアカデミア 未来への投資ゲーム
・どのような課題を解決するアイデアか
貯蓄率の高い日本と投資率の高いアメリカでは、資産の成長速度が異なることや年収が同じでも投資をしている人の方が資産額が大きくなる傾向がある。子どもにお金の勉強をさせることで、こどもの将来に起こりうる経済格差、投資格差、貧困を解決できるのではないかと考えた。
・アイデアの内容
将来に活かせるお金の知識を得ることができるゲームを考えた。このゲームでは苦手意識を植え付けたり、反対に一方的に知識を押し付けるのではなく、投資の入口となる部分を楽しく知ってもらうことである。対象は小学校高学年で、場所は学校の教室や体育館を使う。用意するものとしては運行用タブレット、株、投資信託、現物資産、SDGsクイズであり、あえてデジタルにすることで将来応用できるのではないかと考えた。
このゲームでは収入、支出、投資、貯金の4つを学ぶことができる。特に投資に関しては、株式投資、投資信託、現物資産(金、不動産)、株について、それぞれのメリット、デメリットを学ぶことができる。進行はルール説明、ゲーム実行、金融レクチャーの順に行う。ゲーム終了後は、将来投資をするメリットの説明、SNS詐欺の注意を行う。
このアイデアを実現するために、まず小学生にマネーリテラシーを楽しく学んでもらうゲームを細部まで考え、実証実験を行い、生徒・先生・保護者全員に満足してもらう。そして口コミで活動が広がり、このプログラムが全国の学校教育の一環になっていってほしいと考える。
・課題提供企業より
しっかり情報収集した上で論理立ててアイデアを考えられていました。ルールの細かいところまで考えられていて、大人顔負けの企画でした。
子どものために楽しいイベントを考えるというモチベーションで作成するのではなく、あくまで社会的課題をどうすれば解決できるかという考え方で議論されており、少し混乱もあったと思いますが、上手くまとめられたアイデアでした。課題をどうやって解決していくかという思考の練習にもなったと思います。この経験を皆さんの今後の人生に活かしていってください。
・どのような課題を解決するアイデアか
自殺や体験格差、コミュニケーション能力や自己表現能力の低下など多くの問題を引き起こすSNS依存を解決したい。これらの問題を解決するため、SNSによって語彙力が低下している子ども、体験不足の子ども、外出することが少ない子どもをターゲットとしてアイデアを考えた。
・アイデアの内容
文通サービスと対面イベントを掛け合わせて、英語で文通相手という意味を持つ「ぺんぱる」と、つながるという意味を持つ「こねくと」を合わせた「ぺんぱるこねくと」を考えた。文通サービスでは、都市部の児童同士がお互いに世代、性別、都道府県のみが分かっている相手を提供し、対面イベントが終了後に文通相手を変更して繰り返し行う。サービスを運営するにあたって、クラウドファンディングを行って資金を調達し、文通の切手料金は自己負担とする。レターセットも子どもたちの好みに合わせて選択できるようにし、前向きに文通を行えるような仕組みを考えた。また中心部を介することで住所などの個人情報が相手に伝わらないようにして安全面やプライバシーへも配慮して行う。文通サービスとイベントを通じて、必然的にコミュニケーションが必要な環境になるため、課題であるコミュニケーション能力を上げることができる。さらに、対面イベントに参加することで文通相手と実際に顔を合わせて交流することができ、自己表現能力の向上や外に出るきっかけ作りが可能になると考えている。
・課題提供企業より
特許庁のテーマである“身の回りの社会課題を解決する”に対して、とてもよいテーマ設定をしていただきました。1日目から明確に「SNS依存」という課題を決められており、文通サービスを行うこと、詳しいサービス内容について深く話し合いが出来ていました。初対面の人とディスカッションを行うことは大人でも難しいことなので、今回体験していただいた発想法や他の人との交流の仕方などを、今後に活かしていってください。
・どのような課題を解決するアイデアか
受験生をターゲットとし、学生が抱える将来への不安を解消できたり、未来の自分を思い描いたときにワクワクできるようになってほしいという想いでアイデアを考えた。
・アイデアの内容
受験の不安や悩みを解消し、かつ勉強への意欲を促進できるようなボードゲーム、アプリケーションを提案する。
ボードゲームでは、これまでに経験したことや、自分の好きなことを振り返ることの出来る「ファーストライフ」、受験勉強の不安を解消し、他者と共有できる「スクールライフ」、高校生活や大学生活など、疑似体験し、入学後の楽しい生活を体験できるような「フューチャーライフ」という3つのエリアを作成。
ボードゲームは山のように立体的になっているすごろくを作成し、自己紹介ができるマスや楽しかったこと、受験勉強で不安に感じていることを共有できるようなマス、アプリと連携して目標設定ができるマスなどを設置し、進むにつれて山を登っていくようなデザインにした。ボードゲームの駒は、アプリと連携し、自分たちで育てているキャラクターを使用する。このボードゲームを勉強の前に行うことで、ワクワクした気持ちで勉強に移行できるように考えた。アプリケーションでは、ボードゲームと連携するだけでなく、勉強時間の管理も行うことが出来る。勉強時間やその内容を記録することで、いつどんな勉強をどのくらいしたかをいつでも見返すことができるような仕組みとなっている。また、この目標を達成するごとにキャラクターが進化していき、自分の成長が目に見える仕組みのため、学生のやる気を向上させることが出来る。今後、学校への配布や、駅、学校付近への設置を行い、ボードゲームスペース、勉強スペースを作ろうと考えた。
・課題提供企業より
特許庁が出したテーマである“身の回りの社会課題を解決する”に対して、自分たちが経験してきたことを活かし、後輩たちの助けになりたいという想いが伝わってくるアイデアでした。デザイン力のあるメンバーもいて完成度の高い提案でした。受験の学生だけでなく就活の悩みや社会人の悩みなども対象として、事業化していくことがあるとすれば子どもにも大人にもうけるコンテンツになると思います。アイデアソンの経験は貴重だと思っていて、チームでアイデアを出してディスカッションしたり、短い時間でまとめることは凄く大変だったと思いますが、今後も生かせる経験なのでぜひ頑張ってほしいです。